◎ 損益通算とは? その注意点



損益が通算できる所得は? 別荘等から生じた損失は?



◆ 損益通算の意義は?


損益通算
とは?


(所法69条)
  • 所得税は所得の発生源泉によって10種類の所得に区分し、それらの所得について個々に計算式が定められています。

  • その10種類の所得のうち不動産所得・事業所得・山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合に、その損失の金額を他の各種所得の金額から控除することを言います。


  • ◎ 損益通算ができる所得
    (1) 不 動 産 所 得
    (2) 事 業 所 得 
    (3) 山 林 所 得 
    (4) 譲 渡 所 得 
    の金額の計算上生じた損失の金額

    一時 (譲渡) 所得との通算は、特別控除 (50万円) 後で、2分の1をする前の金額



    ◆ 損益通算が制限されている(できない)資産は?


  • 生活に通常必要でない資産> の譲渡等により生じた損失の金額は他の所得の金額から控除できません

  • ◆ 生活に通常必要でない資産とは? 及び 税務上の取扱い ◆

    生活に通常

    必要でない資産

    (所令178条)
    内   容税務の取扱い
  • 競走馬等の動産

  • 趣味 ・娯楽 ・保養等の目的で所有
    する不動産 (=保養所 ・別荘等)

  • 同上の目的で所有する不動産以外
    の資産 (=ゴルフ会員権 ・ リゾート会員権等)

  • 1個又は1組の価額が30万円超
    の貴金属、書画、骨董、美術工芸品等
  • 譲渡益課 税
    譲渡損損益通算
    不可
    (※)

    (※)但し、生活に通常必要でない資産の譲渡益と譲渡損は、通算できます


  • 不動産所得の損益通算の特例> による土地等に対応する借入金利子の金額

  • 株式等> の譲渡により生じた損失の金額は他の所得 (配当所得を除く) の金額
     とは通算できません

  • 土地等・建物等 (所定の居住用財産を除く)> の譲渡により生じた損失の金額は他の所得の金額とは通算できません (不動産所得・事業所得等に係る損失の金額と土地建物等に係る譲渡所得の金額との通算も不可) (平成16年1月1日以後の通算から改正されました)


  • 所定の居住用財産の譲渡損で損益通算できる場合は?(→)



    ◆ <生活に用いる財産> についてのまとめ


     生活用の資産生じた損益課税・
    非課税
    損益通算雑損控除







    生活に通常
    必要な資産
    譲 渡 益非課税

    譲 渡 損ないもの
    とみなす
    ×
    災害、盗難、横領
    による損失
    適用有り
     
    生活に通常必
    要でない資産
    賃貸・譲渡益課 税

    賃貸・譲渡損(※)×
    災害、盗難、横領
    による損失
    (※1)適用なし

    (※1)災害等による損失は、その年分又は翌年分に譲渡所得があれば、その所得から控除できます



    ◆ 同一所得内の通算


  • 同一種類の所得内での通算はできます。例えば、一時所得内において生命保険契約の
    満期による利益 と 解約による損失は通算できます





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    個人が生活用の財産として所有するリゾート施設等を賃貸したり 又は 譲渡をして損が出た場合など、
    生活に通常必要でない資産から生じた損失は、損益通算できないことになっていますので注意が必要です。




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    tel: 06-6681-2144  税理士 服部行男
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